Sunday, February 17, 2013

肥満 ネコも太ってま〜す



 米大リーグのア・リーグでHit Machineと呼ばれるヤンキースのイチローは、内野安打をコツコツ打つタイプ。一方、アレックス・ロドリゲスは、豪快な場外ホームランをかっ飛ばすパワー・ヒッターだ。この差は、日米両国民の体力と食生活のあり方を反映しているように思う。
 大リーグ担当記者に聞くと、イチローは球場にお握りなど米飯を持参していたそうだ。ボンズの方は、相当な高カロリー食があの瞬発力を生み出したとみられる。総じて米国人は、肉やバターをふんだんに摂るから体が大きく力が強く、スタミナも勝っている。
 だが、過ぎたるは及ばざるがごとし。カロリー過多が肥満を招き、成人病に繋がるのは周知のことだ。
 体重(キログラム)を身長(メートル)の二乗で割った体格指数(BMI)は、二十二が理想的で、米国では二十五から太り気味、三十以上が肥満と見なされる。米政府の最近の調査では、米国民の六割がオーバーウェイトで、減量を迫られているそうだ。しかも、四五㌔以上やせる必要のある人が数百万人に上るというから、「肥満は米国の生活習慣に根ざす慢性病」(米国肥満協会)との警告している。
 だが、肥満している人にとっては「好きで太っているわけじゃない。それなりの原因がある」という。
 とくに、肥満に関係する遺伝子が近年発見されたことで、大いに力づけられたようだ。遺伝が原因であれば、「肥満を批判するのは差別だ」との見解が出てくる。肥満を理由にした解雇や配置転換は人権侵害として訴訟に持ち込まれるなど、「肥満者の権利」を擁護する動きが高まっている。
とは言うものの、どの人も内心はやせたいと思っているのは、日米ともに同じ。新聞・テレビの広告には、「やせる方法」が目白押しで、エアロビクスなどの勧誘から、痩身用の器具、「飲めばすぐにやせる」というダイエット食品の販売まで花盛りだ。
 だが、どうしたら「健康的」にやせられるのか?
 答えは、消費するカロリー以上のカロリーを摂らないことに尽きるようだ。「腹八分目に病なし」、つまり、腹が減るのは健康な証拠と割り切って、ぐっとガマンする以外にはない。
(2001年12月1日)

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