Wednesday, February 20, 2013

大学受験 ユニークさが合否の鍵




 今日・明日の二日間、大学入試のセンター試験が実施された。今年の受験者数は約六十万人。少子化の影響で全体の競争率が下がったとはいえ、難関校を志望する受験生にとっては、やはり大きな試練だ。
 日本の「受験地獄」は米国でも有名だが、近年AO(アドミッション・オフィス)入試や一芸入試、飛び入学制度など、新たな選考方法を導入する大学が増えた。とくにAO入試は、全国の私大の約半数が採用。面接や書類審査、小論文などで人物の総合評価をし、合否を決めるという手間のかかる方法だが、「入りやすく卒業しにくい」といわれる米国の大学の選抜方法が、実はこれなのだ。
 米国の新学年は九月に開始。日本の高三に当たる十二年生になると、すぐに志望大学への願書作りに取りかからねばならない。学校の成績や全国共通学力テストの結果など学業の成果とともに、課外活動についても詳しく記入する。
 「勉強ができるだけじゃダメだ」というわけ。スポーツや芸術、地域のボランティア活動、アルバイトなどを通じて、どれだけ社会性や独創性、リーダーシップを身につけているかが評価の対象となる。
全米から優秀な学生が集まる有名大学の場合、学力では甲乙つけがたいため、課外活動が判定のカギとなるのだ。
 先ごろ日本に住んでいた米国人の男子生徒が、本国のいくつかの大学に願書を送った。課外活動欄に真っ先に書いたのは「チーズ・ビジネス」。彼は、世界中のチーズを日本に輸入する仕事を手伝っていたのだ。各志望校を訪問した時、すべての面接担当者が異口同音にたずねた。
 「チーズ・ビジネスって何?」
 「米国では輸入チーズは珍しくありませんが、日本ではまだ紹介されていないものが多いんです」
 日本の国際化と輸入拡大という「社会的貢献」が、いたく担当者の関心をひいたらしい。おかげで、彼は全ての大学に合格、他人とはひと味違う「チーズ」によって栄冠を勝ち取った。
 日本の学生は個性的な人が少ないと言われるが、ユニークな人物はユニークな経験から生まれるのだ。
 (2002年1月19日)

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