Monday, February 18, 2013

飲酒運転 何てこった!




 以下のコラムは2001年に書いたものだが、その後飲酒運転による死亡事故が相次いで道路交通法の罰則規定も厳しくなった。だが、飲酒運転による事故は今も後を絶たたない。取り締まる側の警察官までがやるのだ。

 年末にかけて日米とも宴会やパーティーが相次ぎ、一杯飲む機会が増える。
 「飲んだら乗るな。乗るなら飲むな」と口が酸っぱくなるほど言われるのに、なお性懲りもなく飲酒運転で帰り、取り返しのつかない事故を招いているのも、日米に共通した現象だ。
 米国ではホームパーティーが中心で、招待客はプレゼントを持参するのが慣例だ。わが家に米国人の某大学副学長を招いた時のこと。「日本製生ビール」のミニ樽を持って来てくれたのはよかったが、散々自分が飲んで真っ赤な顔をしているのに、自宅まで一㌔ほどだから運転して帰るといって聞かない。夜になって気温が下がり、路面はすでに凍りつく中を帰っていった。彼が無事に帰宅するのを祈りながら待ち、電話を掛けた。 
 「大丈夫だって言ってるだろ」というものの、ロレツがはなはだ怪しかった。
 これは一九九四年当時の地方での出来事だが、米景気がウケに入った九七年から全国各地で飲酒運転による死亡事故が急増。首都ワシントンに隣接するバージニア州でも、一年で五割増を記録する地区が出現した。これには、クリントン前大統領もビックリしたのか、二〇〇〇年秋には飲酒運転の全国基準を大幅に厳しくする措置を取った。
 米中枢同時テロ以後、日本でも顔なじみになったニューヨークのジュリアーニ市長も、九九年一月以来、飲酒運転者は初犯でも車を没収するという厳罰主義で臨むことにした。飲酒運転のドライバーは刑事裁判のほか、市が原告となって車を没収する民事裁判にかけられるのだ。米国では二十以上の市で、常習の飲酒運転者に対し車を没収する罰則があるという。
 日本でも、この六月に道路交通法が改正されて罰則が強化されたのに続き、年内には刑法も改正、二十五日から飲酒運転中の死亡事故は「一年以上十五年以下の懲役」となるなど、罰則が最大で三倍に引き上げられる。
 二年前に秋田県で、飲酒運転で検挙された定年退職間際の地方公務員が、懲戒免職処分になって二千五百万円近い退職金をふいにしたことがあった。くれぐれも一生を棒に振らないように「飲んだら乗るな。乗るなら飲むな」。
(2001年12月8日)

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